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イベントレポート

 熊野古道センターにてこれまで開催してきた各種イベントの様子をご紹介します。

平成21年1月11日(日)新しい古道の歩き方「第2回 杉葉の道と、線香車を訪ねる」

2009年01月19日

八丁坂峠越え 熊野市新鹿町には、杉葉線香の材料となる杉葉粉製造のための水車(線香車)が残っています。企画展「熊野杉葉線香ものがたり ~蘇れ!ふるさと産業~」の付属企画として、「第2回 杉葉の道と、線香車を訪ねる」を開催しました。
 “線香車”とは、杉葉線香の材料となる杉葉粉を製粉する水車のことです。平成20年12月7日に催したツアーの第2回目として、かつて山の幸・海の幸を運ぶ人が行交い、女性達が杉葉を集めて歩いた道“八丁坂”を歩き、熊野市新鹿町に残っている線香車、“湊の車”を目指しました!
 前回同様、水車小屋を代々所有してきた鈴木家当代・鈴木祥嗣さんと、当時住み込みの管理人だった方のご子息・山本義之さんのご案内で、熊野市飛鳥町から八丁坂峠を越えて新鹿町を目指しました。ところどころに残る石畳には、大八車の轍がくっきり刻まれています。
前回のツアーレポートはこちら

 1055mの八丁坂トンネルの西側から東側まで、山道の旧道(八丁坂峠道の明治道)を1時間半歩きました。そこからさらに谷沿いの旧道を50分ほど歩き、現在の車道と同じルートをたどります。山の集落・飛鳥町から海の集落・新鹿町まで、かつては3時間ほどかかったようです。今は車で移動すると20分の距離ですが、昔、大八車や牛車で荷物を運ぶ場合は半日ほどかかったそうです。(今回は、新鹿町の手前1.5kmまで合計2時間半ほど歩き、残りは車で移動しました。)

 新鹿町は、“日本の海水浴場88選”にも選ばれた、真っ白な砂浜が美しい新鹿湾を囲む海辺の集落です。廻船業が盛んだった頃はこの白い砂浜の向こうに船が何艘も浮かび、材木や杉葉粉など様々な物資が運びこまれていたのでしょう。そんなことを想像しながら、この海岸でお弁当を食べたのですが、とても気持ちよかったです。

 午後は、水車小屋“湊の車”を訪ねました。水車小屋内部の構造・道具、水路の石垣、杉柴干し場(石畳が敷き詰められている)など全ての遺構が、高速道路建設のために今年3月までに取り壊されるということで、かつての熊野の里人が遺した文化遺産の見納めということになります。参加者の方々は口々に「もったいないなぁ。」とつぶやいておられました。

 案内をしていただいた所有者の鈴木さんは、「取り壊しが決まってからこれまでなかなか調べることができなかった過去の資料を発掘することができ、熊野古道センターでも丁度良いタイミングで企画展が開催されたので、杉葉粉産業についての様々な情報・資料が集まった。この小屋は取り壊されるが、これらの情報・資料を保存し、受け継いでいきたい。」と話しておられました。
 当センターとしても、今回多くの皆様のご協力のもと集まった情報・資料を活かし、林産物・地場産業としての杉葉粉や桧葉粉の今後の可能性の発掘に尽力したいと考えています。

 そこで、この貴重な文化遺産の取り壊しを目前に、“湊の車”を訪ねる最後の機会として見学ツアーを企画しました。林業が盛んで豊富な水資源に恵まれた尾鷲・熊野地域で育まれた、素材も動力も自然からもらう杉葉粉産業は、どんな“ものがたり”を繰り広げてきたのでしょうか。実際に訪れ、その佇まいを心に焼きつけていただきたいと思います。

平成21年1月25日(日)「さようなら“湊の車” ~熊野最後の線香車に会いにいこう~」案内ページはこちら

水車小屋内部にて 伸びているのは横杵(ナゲ) 直径5.5mの“湊の車”

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